公開時に一度プレイさせていただきまして、「これはすごい!」と思ってずっと保存しておき、雪がよく降るようになったので思い出してふたたびプレイ。やはり「これはすごい!」と、こんどはレビューせずにいられないほどだったので、今さらですが書かせていただきます。
表題作「自分殺し」。これは「父」と「双子」の片方が死ぬという短い話で、「物語る」というしかけを使ったじつに良くできたものでした。
作者様HPによると登場人物の二人は文学部の学生であるという脳内設定があるみたいで、となると近・現代文学における大きなテーマのひとつである「父と子」が意識されていることでしょうし、「双子」についても明らかに文学的アプローチをかましている、じつに良いです。
短篇として解釈のための情報をうまくセーブしていて、たとえばポーの「ウィリアム・ウィルソン」やつげ義春の「ゲンセンカン主人」みたいなドッペルゲンガーもの(後者はちょっとちがうけど)が好きな人は楽しめるでしょう。良く出来た短篇作品がそうであるように、「自分殺し」もまたいろんな角度から読むことができます。
もう一作は優しい。「あなた」が出てくるのがいいですね。
筋が薄く思えるのは純文学によくあることだと思いますが、いつおうゲームとして公開されているので、エンタメ要素を増やすとか、ゲームであることを利用したりしてみると、よりサウンドノベルとしての完成度が上がると思います。
次回作もかなり期待してます!
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