アクションやシューティングが難しいと言われる理由の一つに、短時間内に可能な操作性の自由度が高すぎるというのがあります。ショットとボムしかないシューティングでも、初心者はどうしたらいいのかわからず、敵の弾に自分から当たりに行くようなプレイを見せる人というのは珍しくない。スクロールが固定されたSTGでも画面内のどこにも移動できるというのは実はすごく自由度が高い。しかも一瞬の判断が即ミスにつながる。
RPGならどうでしょう。敵が現れたら攻撃コマンド? とりあえず防御して様子を見る? 強そうだから逃げる? 覚えたばかりの魔法を使ってみる? 選択肢はありますが数えられるほどでしょう。その判断が即ミスにつながることもほとんどない。しかもリアルタイムバトルでないなら、コマンドを選択するまで考える時間があります。
右に進んでいくだけのラン&ジャンプ系のACT、インベーダーに原点回帰したような左右移動しかないSTGがフリーのFlashゲーで流行ったのは必然的な時代の流れと言えます。商業の3Dアクションやシューティングにもそういう傾向が強い。
しかし私はビギナー向けに自由度が制御されたゲームにストレスを感じるので嫌いです。シューティングやアクションは画面いっぱいにキャラを自由に動かして暴れたいから。
本作もオプションを操作するという事は本体は動かせないんだーつまんなそうーとまったく期待しないでプレイしました。
最初は印象通りだったのですが、想像以上にコンセプトが徹底されていて、自分が完全に嫌いなタイプのゲームにも関わらず好感でした。ボタンは1つしか使わず操作がシンプルなので説明書を見なくてもすぐ把握できる。それでいて意外とプレイヤーの選択肢は多い。女の子のAIが敵の攻撃を避けたり撃ち込んだりと頑張って動いているのもいい感じで、おかげでプレイヤーのとれる行動に余裕がある。それでいてポイントはおさえないといけない上手い調整。2面ボスで女の子の乗った機体が奪われたりと演出面も凝っていて、後半の展開もかなり熱い。
また本作はアクエディ製ですが、それをまったく感じさせない。グラフィックの描き方が上手いだけではこれは作れないでしょう。例えばアクエディ特有のHPゲージを表示せず、敵がダメージを受けた時にグラフィックの明度を上げて視覚的にわかりやすくしている。撃ち込みの感覚的にも良い。昔ながらのSTG的表現で単純ではあるんですが、意外とこれを実装してるアクエディゲーはなく、自分も考えてはいるんですが手間がかかるのでまだ実装したことがない……。
ここまでしっかり作られてると流石に感服せざるをえません。STGの苦手な人でも楽しめるでしょうし、古兵シューターの方々も後半の展開の熱さは必見だと思います。興味を持ったら一度はプレイしてみて欲しい力作です。
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