私もノベルゲームを制作しているので、次回作の参考にしたくてプレイさせていただきました。いや~非常に面白かったです♪
聞いた事ないタイトルをプレイするか判断する基準に、絵が挙げられますが、これは文句無しですね!
うまいかどうかは人によって感じ方が違うでしょうが、盛り上がる場面でバッと一枚絵が入るのは臨場感がありますし、立ち絵も表情と台詞が合っていたので、キャラがよく生きていました。
そういう意味で他の演出面も完璧ですね!BGMも雰囲気によく合っています。特に暗い場面のBGM&ED曲(歌詞と物語が合っている)が良かったです。
あと後半の、台詞をわざと飛ばせないようにしたやり取り・ラスト直前のムービーの演出も盛り上がりました。
ノベルで一番大事な文章も、続きが気になる惹きつける文章だと思いますし、構成もよくある『ダラダラと不毛な会話が続くだけの日常』も無く(まぁ多くの作品はここで感情移入させよう・キャラの関係性・世界観を伝えようという魂胆なんですが)、全て重要な複線溢れる会話だった為、中だるみもしません。
ここら辺を長くすれば、ヒロインが心を開いていった様子が分かりやすいかもだし、鉛街の現状や事件なんかも描けたかもですね。それがいいかどうかは別として。
……ただ、良い作品だっただけに気になったのは『ボイス』ですね!
声優さんはフリーゲームとは思えないくらい上手でしたが、台詞初めと台詞終わりの独特の『ノイズ』と、マイクに近すぎた為「ボフッ」という息が入ってしまっています。
これは、かなり気になりました!リアリティある作品だけに、このような『会話では絶対に聞こえない音』が聞こえるというのは、ちょっと感情移入の妨げになってしまいましたかね。作り手側の想像をしてしまって……。
しかし、難点がそこ一個だけという素晴らしい出来の作品なので、迷っている人は是非やってみる事をオススメします☆
絶対に、時間を損した気分にはならないですから!
選択肢のない短編ノベル。
展開がほどよくまとまっており、クライマックスで涙を誘うのも上手く、終始安定したクオリティを保った感動作品。
ボイスはフリーにしてはあまり素人臭さを感じさせない演技だが、気になる人には気になるかもしれない。
テーマが明確で主張もはっきりとしているが、個人的にはやや説得力に欠けているように感じた。
普段このようなジャンルに触れる機会が少ない人ならともかく、フリーのノベルゲームをそれなりに漁った人にはインパクトが足りないかもしれない。
また明日の行方もわからない主人公たちだからこそ、キレイに終わらせるならせめて後日談が欲しかった。
物語を組み立てるセンスは光るものがあるので、数をこなせば稀代の名作を生み出すかもしれない。
作者様の新たな作品を今後お目にかかることがあればぜひ触れてみたいと思えた。
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