1周30分未満
ゲームオーバー無し
青春ノスタルジー×ノンフィールドRPG
19歳の夏、僕はペダルを漕いでいた。
カゴに自由帳、荷台に幼馴染の彼女を乗せて。
これは、凄い。
タイトル画面にある魅力的なテキスト。
ビビッと来ました。
■ノンフィールドRPG部分
戦闘は運要素強い。
その気になれば「中断セーブ」から何回もリトライできる。
したがって、一応やり込み要素やランキングを意識して作られているが、
そこまでシビアに考えなくても良い感じ。
このガチらない気楽さが良い。
2周目からはストーリーを飛ばしてRPG部分のみプレイできる。
■青春ノスタルジー部分
主人公が周囲から特別視されるが、(カル=スや飛影と比べて)理由付けが薄い様な気がした。
あと、ラスボスの存在を持て余している感があった。
作品のシステム的にノンフィールド『RPG』という要素と上手く合わさっているのだが、
長所は「ペダルを漕ぐたび少しづつ進む」、そして現れる敵と戦う。
これらが徐々に進んでいくという、良い感触を生み出している。
短所は『RPG』なので「ラスボス」を「入れなければならなかった」という点だろう。
作品ではラスボスは順序に従ってノーダメで倒すことができる。ストーリー重視の為だろう。
ここら辺はもしノベルのみだったなら上手くまとめることができたかもしれない。
やはり最後の締め方。
広げ過ぎた風呂敷を上手くまとめきれなかった感があった。
…ではどういう終末が、まとめ方なら良かったのか。
プレイ後は、この箇所の妄想に多くの時間を使っていた。
完璧すぎず、荒削りな作品ほどプレイヤーに思う余地が生まれてくる。
プレイ後にも皆に大きな余韻を残す。
フリゲとして…
これは大作だと思う。
ゲーム開始して即文章に惚れました。今の時期にプレイするのにピッタリ、すごい夏と海の塩気の香りがする文章。こういう文体は癖を感じさせる事もあるけど、作者の文章力が確かなのか、ピッタリくるゲームシステムのせいか、ただただノスタルジックで美しい感じ。語る、語らないの取捨が上手いのかな。
ゲームオーバーのないシステムで、誰でもクリア出来るけれど、これは小説じゃなくてゲームって媒体じゃないと感動が半減するな~って感じに、ゲーム演出とストーリーが綺麗に噛み合った話。
ずっと冒険してればいいじゃない、なんて思ってしまうほど、フレーバーテキストから感じる二人の冒険の思い出、その一端が美しかったです。
プレイ時間30分程度、蝉時雨がうるさい季節のうちに、是非一緒に夏の冒険に出かけてみてもらいたい作品。
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