(文書量制限の都合上、内容を一部割愛)
Ver1.00
クリア時間 1時間49分(瑠奈Normal)
+39分(陽子Normal)
+1時間13分(陽子Lunatic)
プラネタリウムに遊びに行った瑠奈たち4人は
パフェを食べている間にトイレに行った友達2人が帰ってこない。
その2人を探すために怪談の噂のあるプラネタリウム内を調べていると
存在しないはずの空間に迷い込む。
異形たちから逃げながら元の世界に戻る謎解き探索ADV。
――【本作の謎解きの特徴】――
本作の特徴として1つ挙げられるのが
探索しているうちにアイテムが手に入ることがあり
そのアイテムを「特定の場所で自分から」アイテムリストを開いて
使用することで謎を解くというシステムである。
このシステムを採用することで、「プレイヤー自らが
アイテムを使うべき箇所を見極めなければならない」。
その点で、本作の謎解きは難易度が高めといえる。
特に「カッターナイフ」「ヒマワリの種」「チョーク」は
通常の使い方ではないため、どこで使うのかが分からなくなりやすい。
「カッターナイフ」「ヒマワリの種」を使うべき場所は調べても
何のメッセージも表示されない場所であり、プレイヤー自らが
ここで使えるのではないだろうかと考えて使わなければならない。
その場所というのはほんのちょっとした違和感がある位の場所であるし、
ほかのアイテムを使えそうな場所にはきちんと「何を置けそうな台がある」と
メッセージがきちんと表示されているために、
何のメッセージも表示されない以上、何もない場所だと判断しやすいのである。
後日気づいたことではあるが、オプション画面から謎解きイージーモードをオンにすれば
こういった場所も「調べれば」、ほぼ答えに近いヒントが表示されるようにはなる。
実は初見時もあらかた調べた後に一度このモードをオンにしたのだが
画面上には目立った違いは表示されず、一度調べて何もなかった場所を
もう一度調べてみようとはならなかった。
「調べても何のメッセージも表示しない」という事実は「そこには本当に何もない」という認識を
プレイヤーに与えることをこのゲームで実感したし
根源的な問題として、傷薬の場所は目に見えて分かるのと対照的に、
調べられるオブジェクトと調べても何もないオブジェクトが本作は明確ではなく、
調べても何もない場所が多いからこそ、もう一度調べてみようとはなりにくく
こうなるとイージーモードが機能しない。
特に「カッターナイフ」を使うべき場所はほかに目立つオブジェクトが近くにある関係上、
そもそもそこを調べる発想がなく、どうしても盲点になりやすい。
ひとまず謎解きイージーモードを抜きとして本作をプレイすると
本作の謎解きは「最終的にどうなるかを予想した上でその過程でどこに何をすべきか」
を考えなければならず、全体像が見えていないと
何をしたらいいか分からなくなりやすい。
瑠奈ルート限定で登場する「チョーク」に関しては
制限時間内に使い道を見つけなければならないのだが
瑠奈ルートが初見だと「今まで開示されていなかったキャラ設定」から
答えが出てくるものなので
事前にこういう使い方ができると想像するのはかなり困難であり
使えそうな場所が少ないため、総当たりで使えば解決できそうな点は幸いなのだが
物以外のものにも使えることが初めて分かる場所でもあるので、
そもそもそこに使う発想がなく、ここも詰まる人は詰まってしまう。
メッセージで表示される情報は少なく、マップタイルやエフェクトなどから
「プレイヤーは、作者がどんな行動をして欲しいのかを察しなければならない」
のが本作の謎解きである。
観察力を要求する謎解き自体は良いのだが、本作の状況は
「何を置けそうな台がある」というメッセージから、アイテムを使える場所は同じように
何かメッセージが表示されるだろう、と思ったプレイヤーを延々とさまよわせており
この点に関しては正直、アンフェアだと思った。
謎解きイージーモードがオフでも何かメッセージを表示すべきだったと思う。
――【行動目標について】――
本作は画面の左上に「今何をすべきか」が行動目標として表示されているが
「出口を探すために先に進んでみよう」レベルの大まかな行動目標でしかない。
異空間に入る前の最序盤からして
「いなくなった二人を探しに行こう」と行動目標を表記するだけで
それ以上の具体的な行動は示されないため
プラネタリウム内をしらみつぶしに探すしかない状態である。
そこから異空間に入るまでの流れは
OP後の学校で語られた怪談の内容をふまえて、プラネタリウムを見ると
1つ存在していなかったものが出現しているのでそこに向かえばいいのだが
入った後のイベントでそういった事を説明するあたり、
「プレイヤーはいなくなった二人を探しているうちに
そのくらいのことは自分で気づいて欲しい」意図を感じた。
このように一度会話中に登場した「話題」や
先程の「チョーク」の謎解きのように「キャラ設定」を
理解している必要がある謎解きもあり、それをプレイヤー自ら気づいて欲しいのであれば
本作に必要なのはこれからすべき「行動目標」ではなくて
「あらすじ」「用語集」といった、これまでの情報の方が必要ではないだろうか。
さらにいうと本作は途中からほぼ一本道の構成であり、基本的に先に進むしかない。
ゆえに本作をプレイした限り行動目標は何かに追われているときに
「とにかく逃げろ!!」と表示してプレイヤーに迫る演出の役割が強い。
――【難易度+追いかけられ要素等について】――
ゲーム開始時に難易度を選択するが、これは謎解きには影響せず
追いかけられ要素や推理する要素のない一部のパズル、ミニゲームの難易度に影響する。
Normalモードであれば、本作の怪物に接触しても4回くらいは耐えられ
広い場所で追いかけられる分には比較的易しめである。
ただ注意が必要なのは、本作は狭い迷路内で追いかけられることが度々あり
迷路の行き止まりに追いつめられてしまった場合はどの難易度でもゲームオーバーになるしかない状況に追い込まれることは普通にある。
難易度を上げると
陽子ルートの最高難易度のLunaticとの比較を箇条書きする。
・ダメージを受ければ問答無用でゲームオーバー。
・追いかけてくる怪物の速度が速く、視界の狭い暗がりでは目視した段階でゲームオーバーが確定するので、
どう逃げるかルートを覚える必要がある。
・怪物の出現位置が変更され前から来るので、一度引き返す必要があり
Normal等とは全く別の逃走ルートを発見し、当然覚える必要がある。
・一部の奈落に接触すれば落下してゲームオーバーになる、奈落の上でも追いかけられ要素があるため
細い道を正確に逃げ回る必要がある。
・ミニゲームで要求される入力数が大幅に増加するが、制限時間を考慮すると一度の入力ミスも許されない。
傾向としては、何度もゲームオーバーになりながら「①逃げるルートを発見しつつ覚えるパターン化」と
「②狭い通路を通れるくらいにプレイヤーを操作できる正確性」の2つが必要となるというべきか。
――【主人公の違いについて】――
ゲーム開始時に瑠奈と陽子のうち、どちらの視点をメインにして進んでいくかを選択する。
本作は2人で行動することが多い以上、大筋は同じであるが
異なる部分に目を向けてみると
①プラネタリウムを見たときに感じた気配に対する反応、
②タイトルが表示された後の2人で別行動をする最序盤の探索、
③「チョーク」を使用するイベントに代表される一部のイベント、
④右上のHPゲージのデザインや持っているスマホのデザイン、
に差異が生じている。
特に話題に挙げておきたいのは②で、再序盤は陽子が先んじて行動しているため、
陽子ルートの方が謎解きは多く、瑠奈ルートは陽子が解決した道を歩くだけになる。
しかし、そのせいで瑠奈ルートだと陽子の攻略した部屋が
プレイヤー視点では「何か意味ありげなものが置かれている未解決の謎の部屋」として残ってしまう弊害があり
結果として、探索しても何も出てこない事態に陥りやすい。
これと同時並行して出てくるのが「カッターナイフ」「ヒマワリの種」のイベントであり
瑠奈ルートの序盤は探索できる場所が多いのに意味深で何もない場所があることから
何をしていいか分からなくなりやすく
このような理由で初見だと陽子ルートの方が探索の難易度が下がる。
また③について瑠奈ルートは「チョーク」を見つけて適切な場所で使用する必要があるが
陽子ルートではその流れは瑠奈が自動的にやってくれるために、陽子は別のミニゲームをやることになる。
他のイベントについても瑠奈ルートは自力で何とかしないといけないのに
陽子ルートはなぜか瑠奈がヒントをくれ、何とかしてくれる場面があって、
瑠奈は実はしっかりものという裏設定でもあるのだろうかと思うくらい、
難易度に差がある。
結果として初見は難易度を上げない限り、「陽子ルート」推奨の印象である。
――【謎解き難易度が低下する中盤以降】――
ここまでが「チョーク」を使用するイベント以前の序盤の話が多かったのだが
それ以降は、探索範囲も狭く、やるべきことが明確な謎解きが並ぶ。
シャンデリアのイベントについては
周りを見わたす必要があり序盤の謎解きの面影が残っているものの、
謎解き難易度が低下する。
そして、マップも幻想的な美しい宇宙のような雰囲気になってきたところで
体験版としては終了する。
――【本作の雰囲気や魅力】――
そもそもの題材がホラゲでは珍しいプラネタリウムであり
それをモチーフとした怪物や謎解き、キャラが存在しており
この作品ならでは雰囲気が存在している。
加えて、本作は要所で一枚絵が表示され
瑠奈と陽子の2人についてはどのような様子か分かりやすい。
どちらかといえばこの2人の会話は、この2人のキャラを掘り下げるというよりは
プラネタリウムやこの異空間がどんな場所なのか、現状を説明し反応する役割が強く
作者はこの舞台設定を見て欲しいという自信を感じた。
それと本作は現代もののようで、魔法少女的なファンタジー要素がほんの少しあり
お供のマスコットっぽいキャラが登場する。
化物に対しても最終的には逃げるよりは立ち向かう要素の方が強く、戦うヒロインが好きな人向けの印象もある。
――【個人的感想としてのまとめ】――
メッセージによる情報の少なさ、漠然とした行動目標、瑠奈ルート限定の意味深な未解決部屋、とこういった親切そうで不親切な仕様によって
序盤の謎解きで1時間ほど何をすればいいのか分からない状況が続いた。
この序盤の壁さえ突破すれば、比較的解きやすいパズルが続き
ストーリーやプラネタリウムの雰囲気が味わえるようになるなど
本作の魅力が出てくるのだが、いかんせん序盤の壁が高すぎるため
ここでつまずいてしまえば、本作のプレイ体験に致命的な影響を与えかねない。
謎解きについては観察力を要する難しいものがある以上、
先述した自発的な謎解きを自ら解いてみたいと思わないのであれば
露骨になったとしても謎解きイージーモードONで陽子ルートからプレイすべきと思う。
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