旧き伝承と暗澹たる歴史に縛られた、さびれた村の中で
墓地を守る怪物、首無し事件、そして自分自身の謎を解いていきます。
限りある日数の中、村を探索してゲームを進めていきます。
時間はリアルタイムで流れ、さらにマップ移動ごとに10分経過します。
ある程度の余裕はあるため「あの人は昼ごろ○○にいる」といったヒントに
素直に従ってイベントをこなしていけば困る場面は少ないはずです。
演出が特徴的で、まず導入からして一味違うと思わせられますし
核心に迫るにつれて一枚絵が表示されるなど、メリハリが目を引きます。
全体的にダークな雰囲気でありつつも、キャラクターはかわいらしく
よく見るとユーモラスな一面もあるところが好きです。
(思いっきり手を噛まれている部分とか)
舞台となる村について、成り立ちなどを本棚から読んでいると
悲劇の積み重ねが鉄錆のようにこびりついた、くたびれ果てた雰囲気が
リアルに浮き彫りになってくるようでした。
そんな背景のおかげで、嫌味な人の態度にもどこか血が通っている感じがしますし
同時に「くそじゃん!」と全部バッサリ切って捨てるのももっともだと思えます。
エンディングについて、マザーグースの詩はひとつでも
その解釈は複数あるように、もしかしたらこんな未来もあるんじゃあないか?
不思議とすんなりそう受け入れられる、やさしい含みがありました。
その他、あまりお世話になることはなかったのですが
画像つきで攻略情報や裏話を載せているところがとても親切です。
不気味なオープニングから始まり、細かなドット絵の動きやスチルにもう目が離せなくなっていました。
難易度は難しくなく、詰まる事はありませんでした。
アクションが一部ありますがどれも簡単で、ゲーム全体としてはアドベンチャー寄りでした。
流血描写も有るとのことですがゴアというより、ダークファンタジーと相まって演出が凝っていてゾクリとします。
要素やストーリー、背景やキャラクターまで全体的にクオリティが高く、
久々に見た映画がドストライクでクリア後は満足という言葉しか出ないほど面白い作品でした。
NPCのセリフも進行度などに応じて変わったり、行けない所が行けるようになったり、新しい物が出来たり、少ないマップ数だからこそ気が付く細かな変化が楽しかったです。
ダークファンタジーで、いろんな真相を探っていくのが好きな方にオススメのゲームでした。
以下からややネタバレです。
ひとつひとつの単語や要素に意味が有って、真相がわかるたびに、繋がっていくのがすごく気持ちよかったです。
崖から飛び降りると毎回コケたり、卵を採取して調理したり、ゲーム進行とは関係のない遊び心が楽しかったですし、作品の背景の裏打ちにもなっていて、小さなことまで作られててどれも楽しかったです。このゲームの動物は鳴かないなぁ。歴代の神父の肖像画があるなぁ、世襲制じゃなく派遣型の世界かな?フレバー程度の要素かと思う事も後から光って来ますし、何度か予想を裏切られ楽しかったです。
最初と最後の首が落ちるドット絵は迫力がありました。スチル絵はどれも引き込まれました。
エンディングはどちらもすごく良かったです。一つは晴れ晴れとした気持ちに、もう一つは泣いてしまいました。バッドエンドのスチルもかっこよい!
一人一人のキャラクターがしっかりしていて感情移入もしちゃって、エンディングにグッときました。
とにかく進める事がたのしく、最初は2つのエンディング。それからバッドエンドを回収しました。
クリア後はたくさん遊べていろんな感情でいっぱいでした。
心残りは親方の料理、食べ損ねてしまったことですかね。毎日ありがとう、親方。
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