残酷な世界
ネタバレ含む
都築くんは心の中で
美作くんを変人呼ばわりしているのに
探偵を頼みたいと普通に言ってのけるので
何だろうとこわく感じた
幼なじみだと言うのに
ピッキング出来たのかという質問に対して
冷たく
知らないという。
知らないという事実は間違ってはいなかったけれど
すごくぞっとした
都築くんの言動は思い返すと
深い傷を負った
見つけて欲しい
助けて欲しいと願う矛盾している人そのもので
悲しみでいっぱいだったんだろうなと思った
美作くんの都築くんを見るお顔は
都築くんの思いを取り落とさないよう
全てを大切にしてくれているような
空気の緊迫感と強い優しさがあって
素敵な人に感じた
都築くんは淳平くんに言葉を押し付けられて
相手には
あって
自分にはなかった
とはっきり見せつけられて
凄く残酷だった
淳平くんのこと大好きだったんだろうな
都築くんに穏やかなものが訪れますように
切ないし共感できる
※ネタバレ注意です
自分も思春期に友人にこういった感情を
抱いたことがあるので里見くんの気持ちは
痛い程よく分かるし殺してしまうのもすごく
よく分かる……。
グラシアス作品て想いを募らす主要人物が
クズいケースもあるんですが
里見くんは全然そんな事もなくて
むしろ相手役の淳平くんが
自分勝手過ぎというか
学校という狭い世界でそんな
『君と付き合ったけど
この気持ちは勘違いでした、
でも友達にも戻りたくないし
(黒歴史になる可能性もあるとか
思ってそう(偏見)
女の子の方がいいや』とか
言ったらそりゃ…
そりゃ里見くん大大ショックというか……
子供だから学校と家しか世界がないし
大人の職場と違って
人間関係トラブルで辞めますとか無理だし
転校もそんな簡単にできないし
不登校になってもおかしくないのに。
モノローグが秀逸でストレートに
心に刺さる作品。
不穏なBGMも状況やスチルに合ってて
脳内に残ります。
バッドエンドなんだけれど、
思春期と多感期特有の少年の苦しみが
書かれててその一瞬を切り取ったような
作品でした。
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