ア・カンパニープレイ済、もしもロワイヤル未プレイ、元祖バトルロワイヤルうろ覚えな状態で遊びました。
丸一日かかりましたが、飽きることなく最後まで楽しめました。
文章表現もわかりやすくかつ詩的だし、なんというか言葉選びがカッコイイ。
画面表現や音楽・効果音の演出も含め、全体的に好きな世界観でした。
顔グラもアカパニからよりかわいらしくなってたし、背景の絵(写真)が綺麗。
作者さんが実際に行って撮った場所だと知ってびっくり。こだわりに脱帽です。
そして、ストーリー。
最初に20匹のキャラクターを目にした時の正直な気持ちは、
「うわーこんなにいっぱい。全員覚える気なんかない」でした。
しかし、読み終えた後の気持ちは、「全員の名前を忘れたくない」です。
泣きました。冗談抜きで。
すみませんが、この先とても長くなります。
舞台が舞台なのでキャラがたくさん死にまくるのはわかり切ったことですが、ひとりひとりの生き様が“本気”でした。
生きて帰りたい、でも殺しをしたくはない、仲間を死なせたくない、死なせた奴が憎い……
死への直面によって徐々に浮き彫りになるそれぞれの人物像、生や信念との向き合い方がほんとにみんな魅力的で、
それがどんどん絡み合っていく様にすごくのめり込みました。
殺しに乗り気じゃなかったキャラがある経緯で攻撃的になり、悲劇が次の悲劇を呼び、
似た境遇の者同士が出会い、葛藤や変化が生じたり……
デスゲームの中で繰り広げられる様々な展開を余すことなく楽しめました。
死の恐怖や熱い戦闘、頭脳戦・心理戦の駆け引きなど色々な要素がある中でも、
「生きること・死ぬことに対する意識」に重きが置かれていたのが個人的にツボ。
なんとなく死んじゃったーかわいそうーといった感じではなく、それぞれの死に“重み”があります。
生きてた時間が短かいキャラでも、その仲間はそいつの死をずっと引きずり続けるのがイイ。
それもただの悲劇で終わらせず、遺された想いや信念を背負って必死に生き抜こうとするのが泣けますね。
他にも面白かったのが、“正義”という言葉が出てきたこと。
悪と戦う物語でよく聞くこの言葉が、デスゲームで出てくるとこうも新鮮に感じられるんだなぁと。
殺しの必要性に迫られるのが凡人ではなく、相手を傷つける技術に長けた彼らだからこそ浮かんでくる概念なのでしょう。
手を汚すことへの躊躇という点では同じでも、質が全く違います。
彼らが正当化したかったのは自分の生きる権利ではなく“力を使う権利”なのかな、と考えると、
デスゲームという舞台が“正義”というテーマの奥深さを表すのにうってつけのように思えました。
生存本能は捨てられないがヒーローとしての誇りも捨てきれない、というところがドラマチックですね。
(護身具を作る会社が殺し合いの凶器を提供している(かも知れない)皮肉ぶりもまたポイント)
キャラクターも、アカパニメンバーは相変わらずみんな魅力的(シルビアのあっちとのギャップはえぐい)だし、
タキはあっちにはなかった知らない一面が見られて個人的には嬉しかったです。
アカパニ以外のキャラもみんな好き。特にラグ、イージス、オムニャンコ、チャンバラビットあたり。
それから音楽も本当に良かったです。かかった曲はどれも印象的でしたが、
「最期の記憶」「終わらぬ夜はない」の二つが個人的ベスト。
悲壮感いっぱいなハーモニーをバックに、定時放送を聞いて仲間の死を嘆くキャラたちを見るのはなかなか堪えますw
これだけ書いておいてまだまだ全て語り尽くせませんが、とにかくお腹いっぱいです。
プレイして本当に良かったです。ありがとうございました。
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