ネタバレを多少なりとも含む。
システム的にかなり完成されているが、これがツクールMVで作成されていることにまず驚いた。その意味で、まず挑戦的である。
「血液」を題材にしているが、設定が面白い。現実社会では実際に無いのであろうが、それでもありうるかも、というギリギリの設定。他にも、ご都合主義的な設定がかなり目立つが、ゲームではあるし、逆にゲームであるからこそ活かせた設定ではないかと。
文章、グラフィック、BGMについてはいずれも申し分なし。
本格ミステリというよりは、少しファンタジー寄りであるが、ゲームとしての表現であれば、むしろこれ位の方がよいと思う。…と、ここまでは良いのだが、割とストーリーの核心部分について、かなり気になる設定が目についた。それゆえ、最初はかなり考えられた設定だなと思ったのが、全体としてかなり無理くりした感じを受けてしまった。
以下、直接的な表現は避けるが、ネタバレ要素を含むので注意。
自分が単に見落としていた、勘違いしていたという指摘であれば、削除していただいて構わない。
1つ目
・犯人はある物が苦手で、それで決定的な証拠を残してしまうのだが、なぜそのような人物が刃物を平気で扱えているのか。
2つ目
・ある人物が自殺してしまうが、その選択があまりに突飛。もっと他に手段があっただろう。それに、その人物の社会的影響力があまりに大きいのだが、後のことをまるで考えなかったのか。
トゥルーエンドまで2時間45分ほど。そこから最終章、特別編、おまけのギャラリーモードまで充実していてとても濃いノベルゲーム。ストーリーは意外性があって、キャラクターも面白い。イラストもキレイで最後まで楽しくプレイ出来た。
プラス点
文章が非常に丁寧。文法的におかしな点もなく、文才のある人間が推敲を繰り返して書いているのが伝わる。叙述トリックも巧みで、上質なライトノベルを読んでいる様。
色々とご都合展開はあるものの、そういった基本的な点がしっかりしているのであまり気にならなかった。
マイナス点
選択肢の必要性をあまり感じない。全部の選択肢で正解を選ばない限り同じバッドに行くなら、いっそトゥルーエンド一本道でもいいかも。特に、どこへ行くかの選択肢や、被害者の荷物の中で気になった物の選択肢は無くてもいい。
あと機能面でツクールはノベル特化していないせいかバックログが不完全。
ロードデータから始めた時にその直前の会話が読めるといい。
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