主人公、一応いるんですよ。いるんですけど、存在感がゼロなんです。
それはさておき、文章量多めのRPGといった感じですね。本編の文章量は多くないのですが、クリア後に閲覧可能となるノベルパート「番外編」が実質本編のようなものなので、このような表現が適当なのかなと。
EDは3つありますが、そのうち2つは打ち切りENDみたいなものなので実質一本道と言って良いでしょう。セーブポイントを誤らなければ1度のプレイで3つとも見ることが出来ます。「思い出を解放せず、診療所の待合室で座る前にセーブ」と覚えておけばOKです。
難易度は低めなのですが、いかんせん戦闘パートが恐らく倍速不能(どのキーを押しても出来ませんでした)であるため、高難度だと戦闘が長過ぎて大変です。このため、ゲームの腕前に関係無くベリーイージー推奨です。
また、町に無意味な入り口(入れない)が多数あったり、宿が無駄に広かったり、フィールドの侵入不可マスが識別し辛かったり等ありますが、いたるところに重要アイテムが配置されているので隅々まで探索する必要があります。
サブタイトルに「いじめ報復事件」とあるように、物語の主軸は「いじめ」「報復」です。しかし、キャッチコピーに「この物語には『愛』しか存在しない」とあることから、本当に描きたかったのはソコではないのでしょう。
いじめがメインテーマだとするのならば消化不良に見えるEDも、愛がメインテーマだとするならば納得できる…のかなぁ。報復にはストルゲがある。許しにはアガペがある。そして真の目的はエロスである。確かに、全てにおいて愛はあるんですよね。
しかし、凄惨な虐めを第三者の視点で散々見せられたプレイヤーが許すためにはパワー不足ですし、プレイヤーが許さずとも納得してしまうような強い愛が表現されているわけでもありません。この辺り、もう一つ欲しかったですね。
ただし、番外編2は別格の出来であり文句のつけようがありません。とある人物の強い愛が示されており、大変素晴らしい物語でした。これを見られただけでも、プレイして良かったと思えるほどです。
表現については、注意の項にあります通りかなりハードな表現が登場します。特に女性には受け入れ難い描写(主に性被害)が多々あるため、それを承知のうえプレイされた方がよろしいかと。
最後に、本作は選曲が凄いです。というか「凄い曲が選ばれている」でしょうか。
バッハのメヌエットをご存知でしょうか?誰もが聞いたことのある曲であり、実際にはペツォールトが作曲したということでも有名なあの曲です。実はあの曲、一般的に知られているト長調の他にト短調も存在するのですが、本作にはこちらのト短調の方が使われています。いやはや、この曲を選ぶとは…正直、感動しました。
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