そもそも「人殺し」に対する忌避感自体、人間が当然に備えているものなのかどうか……。
そんな事も考えると、作中の疑問は簡単には答えられない問題だ。
その一方で「人を殺してはいけない」というルール自体、
所詮人間の作った恣意的なものに過ぎないという見方もできる。
そう考えると、この物語自体、ただマッドサイエンティストが
道具の使い道を見誤っただけということになる。
この死刑自体、ただの茶番に過ぎないかも知れない。
オチ自体はさほど驚くようなものではないが、
短いながらも細部まで手が込んでいて、登場人物の感情が伝わって来た。
後書きも含め読んで欲しい完成度の高い一作だった。
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No.36261 - 2017-07-22 20:59:41
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