GriMo+様の制作された、ファンタジー乙女薔薇百合ADV、“IDEA 宣戦布告編 demo”の感想を書かせて頂きますね。

本作はごく普通の女子高生“ミライ”が、謎の異世界ドミニオンに召喚されて、元の世界へと戻る為に、魔術師“マナグレース”と戦うと言う物語です。
物語冒頭では現代社会が舞台ですが、直ぐに舞台は不思議なファンタジー世界へと切り替わります。
体験版だからなのか、2名の男性のバッドエンドだけしか見る事が出来ませんが、その過程で立場も性格も相反する、“ヨハン”と“エリオット”の各々の主張が身に染みて理解出来、やり場のない擦れ違いの悲しみを覚えました。
どちらもタイプは違えども、決して悪い人達ではないと思うのですが……。

まるでヨーロッパ風RPGのような世界観の中、対立する2つの立場を中心とする各種の設定が行き届いており、物語は非常に暗くて重い物にはなりますが、主人公ミライの面白可笑しい言動のお陰で、比較的明るい気持ちで進める事が出来ます。
ツンギレJKと紹介されていますが、正にそんな感じで、何時も怒っていて感情表現が激しいタイプですが、自分を助けてくれた人には恩を感じたり、時折優しい心を見せる一面も持っています。
で、肝心の百合シーンなのですが(笑)、意外にも濃厚な描写を楽しめ、本来なら敵であるはずの女性に、何故か感じてしまう主人公の葛藤を感じられ、百合ゲーでもこう言うタイプは珍しいかと。
私は薔薇には全く興味がないので、そちらの方面は語らずにノーコメントとさせて頂きますが(笑)、冷酷なようで実は面倒見の良いヨハンも、飛び抜けるように爽やかで明るいエリオットも、ミライとは一見合わないようで、とても相性が良いのだと思えました。

推奨年齢が15歳以上と言う事で、若干未成年には刺激が強い百合描写や、暴力的、グロテスクな表現もありますので、プレイされる方はご注意頂ければと思います。
とは言え、体験版の時点では薔薇百合要素は少なめで、乙女ゲー要素がとても強いと感じました。
どうやってもバッドエンドしか見る事が出来ないのが残念ですが、製品版はもう少し救われる物語が楽しめるのだと期待して、完成する日を待ち続けたいと思います。
しかし、妙にリアルなモンスターがグロテスクで良いなぁ(笑)。

それでは、これにて失礼致します。

12345