ver.1.01、約18時間でクリア。

囲碁を題材にしたRPG。メインはあくまでRPGですが、作中の様々な所に囲碁をモチーフにした要素が盛り込まれているのが面白い作品です。

例えばダンジョンに登場する敵は「アキサンカク」や「イッケントビ」など囲碁にちなんだキャラクター（イラストが大変可愛らしい）が登場しますし、ストーリーや登場人物なども囲碁モチーフになっています（「魔法剣士秀策」なんてフレーズが見られるのは本作くらいでしょう……）。

また、本作は随所に詰碁が盛り込まれています。ダンジョンの謎解きとして登場するものからクリアには必須ではないオマケ的なものまで様々です。他の手段では入手しづらいお金が多く手に入るので、見かけたら挑んでみるのが吉です。一度挑戦した詰碁はアイテムから再度挑戦可能で、報酬も何度でも手に入ります。

戦闘はオーソ―ドックスなターン制コマンド式です。そこまで複雑な効果のスキルはないので、とっつきやすい反面、誤魔化しも効きづらいので、コツコツとパーティーを強化するのが大切そうです。本作はランダムエンカウント方式ですが、アイテムからエンカウント率を変更できるので、快適に遊ぶことができます。

RPGとしての難易度は普通～やや高め程度。詰碁の報酬アイテムを使ってのアイテム合成要素があるので、コツコツ詰碁を解いて装備を強化するのが大切そうです。マップ移動を便利にするショートカットや前述のエンカウント率調整など遊びやすさへの配慮は素晴らしいです。

碁打ちは詰碁をすらすら解けて少し得した気分で遊べます。反面、囲碁のルールについての説明はなく、詰碁の解説もないため、もともとある程度囲碁を知っている人向けの作品と言えます。囲碁をそこまで知らない方でも、詰碁で打てる場所は限られているので、トライ＆エラーで何とかなるかもしれません。

好みが分かれる点としては、本作を遊ぶ上では、おそらく同じ詰碁を何十回と解くことになる点です。反復学習によって棋力を磨くという点では非常に有用ですが、苦手な方はご注意ください。私は全く苦にならないので、詰碁トーナメントも無限に遊んでいました。

総じて、囲碁を多少なりとも知っている人向けではありますが、独自性が高く、それでいて遊びやすい作品でした。分かりやすくも盛り上がるストーリーや、可愛らしいグラフィックも魅力的で隙の無い作品です。素敵な作品をありがとうございました。

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