Ver1.02(体験版)
クリア時間　49分
クリアレベル　9

　お菓子の国で暮らしていた青年パンプルテ。
　ある日、魔法使いたちの手によって
お菓子の国の住人は彼以外、連れ去られてしまった。
住人たちを取り戻すために、途中で出会った芸術家の少女プリーテや
友人である医者のヴァンプルムとともに魔法使いの国を目指すRPG。

　本作は怪物の国に着いてから以降は
話しかけられる人や調べられる個所が多く、
それらを話しかけたり調べたりすることで、
どういう世界観なのかを説明してくれるのが特徴で
探索ADV的な色が強い作品になる。
　ただこれらがつながって1つのストーリーになるという大層なものではなく
飲食店のメリットを語る人がいたり、偉そうにするのが仕事だと語る役人がいたり
あのモンスターは可愛いけどペットに向いていないだとか
本棚を調べれば、その土地のガイドだったり怪物の説明だったり
そういった雑談的なフレーバーテキストをゆるく読んでいくものである。
　怪物の国の出店も複数あって、それぞれ何を売っているのかを
ウィンドゥショッピング的に見て楽しめるようになっている。

　こういう探索要素があってマップも広大なのもあって
寄り道が楽しいがゆえに夢中になってしまい
今どこに向かうはずだったのかを忘れやすく、
どこにいるのか、初見だとマップの関係性を把握しづらい部分があるので
迷子になりやすい。
　ガイドブックを見れば目的についてはある程度カバーできるものの、
場所に関してはひたすら探索するしかない。
　そもそも探索してテキスト読むのがメインのようなゲームなので
そういった迷子になることも含めて探索が楽しめる人向きというべきかもしれない。

　キャラについて、本作の主人公はパンプルテになっているものの、
あまり彼の心境等は作中で語られていない。
　パンプルテは身体をバラバラにされてそれを軽く流されてるので
正直、扱いが少し不憫に思うんだけどあまり気にも止められていない。
なので彼を主人公として捉えても感情移入が難しく
全貌が掴めない。

　本作はプリーテを中心にして考えた途端に
"料理が上手で家事も万能な可愛らしい弟系男子"パンプルテと、
"お坊ちゃん育ちで頼りになるイケメンの医者"ヴァンプルムという2人の男性を
着せ替えたり髪型を変えたりして楽しいプリーテという関係性が見えてきて
カタログスペックだけでも魅力的に思えるような、
女性の夢が詰まった関係性に見えてきたので
プリーテに感情移入するのが一番楽しいだろうし、
ある種乙女ゲー的な人間関係なので、その点、女性向きといえるし
あえて、主人公がパンプルテになっているのは
女の子のためにいろいろやってあげる男の子を演じるゲームともいえる。

　現状では"可愛い弟系男子とイケメン医者を愛でるのって
楽しいよね！"という意思を一番シナリオに感じた。

　メインキャラ3人とも親に関する描写が何かしらあるので
人間じゃないキャラの年齢は300を超えているのだけども
どちらかといえば、子どもたちの冒険として描いている面はあると思う。

　シナリオ上においても親の情報が伏せられたり、温泉洞で倒れていた人物に反応したり
一番謎がありそうなのもプリーテなので
彼女の抱えている問題を2人が解決してくれるという流れになるのではないかと
予想している。


　戦闘バランスについて、温泉洞までは通常攻撃だけでも進めるが
温泉洞からは攻撃も回復も各キャラのスキルを有効活用しないと少し厳しい印象。
特にヴァンプルムが全体回復を使えることは意識しておきたい。


　流血等の表現は、イベント上で人型の敵がバラバラにされるイベントがあるが
敵が黒めなのと、ドットで小さめに表現されるレベルなのでよく見ないと分からない、
そこまで衝撃的な画像にはなっていないという印象で
パンプルテもバラバラにされるけど、お菓子なので問題なく元に戻るという
ファンシー要素で緩和している部分もある。
　あとは斬撃系の武器を装備しているときだけ、斬撃が赤で表現されるという描写はある。
現行ではこんなものだが、これ以降のバージョンである程度血生臭いことになるのは
十分あり得る。


　体験版(Ver1.02)は温泉洞で倒れていた人物と出会った後に奥に進むと
メッセージが出て突如としてタイトル画面に戻されるので
ほかの場所を探索したい場合やセーブで記録を取る場合には要注意。


　探索して雑談的なテキストを楽しめて、魅力的な男性と旅をしたいという女性向け要素のある一作といえる。

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