純白の街、灰雪の僕ら。

Junky-Soft

――退廃の白。狂気の白――

蒼龍

声とキャラクターがピタリハマった皮肉男の語りが癖になる、薄暗いノベル

主人公のテオが秒で好きになる感じの皮肉っぽく、でも優しさの見える男で最高でした。声優も上手い。後書きで作者の方がどっちなのか頭抱えてたような気がしますが(笑)私は捻くれているがとても優しい男だな……好きなタイプの紳士だな……と感じました。表に出る言葉よりも気遣いや人好きをなんとなく感じるというか。彼がノリノリで人を食った事言うところも、素直に優しくするところもどっちも好きです。テオのキャラクターが気に入ったら、メインヒロインの存外素直な反応のコハルとセットでラストまで終始楽しく読めると思います。

お話も良かったのだけど一言で言いにくいな……。この狂った世界で最後テオが決断した事が全てなんじゃないかなあとは。絶妙に鬱に引かない塩梅で、静かに収束していくのは、視点や演出の巧さも相まって私好みでした。

OPの凍花街が癖になる良曲で、起動のたび聞いてました。エンドロール演出も好きです。

薄暗いけれど皮肉の裏に人への優しさが見えるテオ、ツンデレ分類らしいけど個人的にはとても素直なお嬢さんだと思った(裏が見えにくいテオとの対比のせいはあるか?)コハルのやり取りが不思議と温かい、良作だと思いました。考えてみると結構重い話のように思うんですけどね。何故かあまり嫌な感じにはならなかった。薄暗ほの温かい感じかなあ。個人の感想ですが。

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No.61538 - 2022-03-06 12:32:51
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