お仕事って良いですよね。
2回追いかけっこ難しい。早いです注意。
あの女性の姿もっとたくさん見たかったな。
音が怖い作品ありがとうございました。
誠実な作品
ネタバレを含みます。
キャッチフレーズとメインのスクリーンショットに惹かれてプレイした。
特筆すべき点はグラフィックとゲームの構成。
まず、グラフィックは美しいマップグラフィックと手の込んだキャラクターチップに作者のこだわりが感じられる。
墨の滴るような暗転や色収差などが駆使された表現や、不穏さの滲むマップから、この先に起こる展開やプレイキャラクターの心理が想像できてしまう。プレイヤーは不安を酷く掻き立てられることだろう。
少なくとも筆者はとても不安になりながらプレイした。
次に、ゲームの構成。
プレイヤーは調べたマップオブジェクトをきっかけにプレイキャラクターの内面のような世界を探索することになるが、その中ではそんな非道なことがあっていいのかというようなことが次々と起こる。
作者によって絶妙に表現されたキャラクターたちの異様な挙動に度肝を抜かれる。選択肢によってはプレイキャラクターもそれに順応するので二重に恐ろしい。
基本的には非道さの餌食でありながら、それゆえに加担する場合もあるため人によっては胸が痛むかもしれない。
ゴア表現と不気味さによる怖さがプレイヤー及びプレイキャラクターに向かう残酷さを効果的に強めている。
このゲームはテーマである「信じるということ」にしっかりと沿った構成になっている。
アクション要素はシンプルな追いかけっこのみで、捕まっても即リトライできるため、水を差された気にもならない。
そのため、プレイヤーは信じるか信じないかの提示に意識を置いて遊ぶことができるだろう。
また、その経過でプレイヤーはプレイキャラクターにとらせた行動によって、プレイキャラクターの認知が変化することに気付くはずだ。
プレイヤーがキャラクターを信じるか否かを提示していった結果、プレイキャラクターの認知もそれに沿ったものになり、物語が展開していく。その構成の妙に舌を巻いた。
更に、エンドの回収もしやすく、筆者は初手で信じて酷い目に遭い、二回目で信じずに酷いことをしてしまった。その後、平和的に主人公が助かる方法がないかと行動して若干の変化を見付け喜んだのものの打ちのめされ、四回目でようやくtrueを見ることができ、歓喜の声を上げた。
恐らく多くのプレイヤーがこの道を通ったのではなかろうか。プレイヤー心理を突いたこの構成によってプレイヤーはどの周でも変化を楽しみながらtureに行ける。
プレイヤーの選択によって悲惨な目に遭わせてしまった申し訳なさやtrueに行けると思って打ちのめされた気持ちによって、プレイヤーはプレイキャラクターをどうにかして助けたくなるだろう。
その気持ちでtrueを迎えられると強いカタルシスを得られる。
最後にテーマに言及する。
「信じるということ」はとても難しい。プレイキャラクターが独白するように、何度も裏切られれば不信感に苛まれるだろうと筆者も思う。その状態で人を信じるには勇気が必要だろう。
プレイキャラクターは何度も裏切られる。裏切られないように行動してもよい結果にはならない。子供であるプレイキャラクターが救われるには大人の助けが必要であるにも関わらず、肝心の本人が不信感のために自分を救えない。
このやるせなさを数度目の当たりにし、プレイヤーが「いっそのこと……」と一見酷く思える選択を取ったとき、プレイキャラクターは結果的に勇気を獲得し、救われる。
作者がテーマに真摯に向き合ったことがよく分かる誠実なゲームだった。
構成の妙と誠実さの感じられる素敵なゲームをありがとうございました。
的外れなコメントだったらすみません。
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