アイラム・イヴ

アンディーメンテ・プレイブースター

【アンディーメンテ作品】病院シミュレーションゲーム。患者を治し立派なお医者さんになってね

いか

自分語りと感謝

はじめに
このレビューは2018年版アイラム・イヴのプレイレビューではありません。旧verである2005年版アイラム・イヴでのレビューになります。

自分はこのアイラム・イヴをアンディーメンテの「隠れた良作」だと思っています。
良作であり、名作でないのは多くのゲームでは当たり前の派手な戦闘・エフェクトや目標クリア時の達成感などがこのゲームにはあまり無いからです。

なぜ良作と言えるのか。それはレビューを書いている私自身も分かりません。
しかし、私がPCを新調するたびにこのアイラム・イヴ(2005年版)をDLし、繰り返し遊んでいるというのは事実です。
つまり、私にとってアイラム・イヴはふとした時に遊びたくなる昔ながらのゲームなのです。
そしてこのゲームに一種の特別な感情を持ち(恋ではないと思いますが)、
このゲーム内に出てくる一つの単語を自分のアカウントのパスワードに組み込んでいるほど
自分はこのゲームが大好きです。

ゲームシステムはひどく単純。マウス操作だけで全て完了します(アドベンチャーですしね)。
そこにプレイヤーの腕の差はありません。
しかしながら何度もプレイをする内にこの患者の症状ならこの病気だな、と把握し適切な治療を行うその姿は
まさにお医者さんシミュレーションゲームという他なりません。
先に、このゲームに達成感はあまり無いと書きましたが
この適切な治療が適時出来るようになったときこそ達成感が生まれる瞬間であることを訂正します。

レビューを書いている内に遊びたくなってきましたので、乱雑なレビューをここで終了します。
拙い私の文章を読んで下さり誠に恐縮です。
ぜひ、アイラム・イヴの世界に入り込み、一人でも多くの患者を救ってあげて下さい。
最後に、アイラム・イヴを生み出し、かつ13年の時を経てアップデートをしてくれたアンディーメンテさんに感謝を。
「待ってました!」

PS:『アイラム・イヴ』 ver2.0公開日が自分の誕生日とか運命ですやん…

12345
No.39968 - 2018-02-23 03:39:44
もにゅもにゅ

リソース管理ゲームの最高のお手本

【はじめに】
アンディーメンテのゲームは画面が小さいことが唯一の弱点だったが、リメイクされて現代の画面サイズになり非常にプレイしやすくなった。
本作は病院を題材としており、ゲームバランスに関してもリソース管理ゲームとして最高のお手本となっている。


【どんなゲーム?】
説明文にもあるが(架空世界だがリアル寄りの)病院の医師となりその業務をシミュレートするゲームだ。
診察・治療だけではなく、それらに使う道具を作るための素材を集めたりもする。

素材集めと聞いて「面倒だな」と思わなくて良い。
過剰なクリックや無駄なミニゲームは一切無い。
探索するゾーンを選んで、結果を見るだけなのだから。

このゲームの面白さ・楽しさはそんな無駄なことではなく、全体を見て大きな選択を行い、時には小さな選択肢を積み上げて、大きな選択肢を育て使いこなすことなのだ。
シミュレーションの醍醐味が、そこにはある。


【育成要素】
・待合室の設備
・診察および治療の選択肢の増加
・上記選択肢における効果の上昇
・入院病棟の設立
・探索区域の増加
・不利をもたらすランダムイベントの発生確率低下(有利をもたらすイベントにも同等のブースト要素)
等々。
これらの育成への優先順位でプレイヤーは頭を悩ませることになる(最高だ!)


【無駄な演出が無い】
操作に対するレスポンスが即座に返されるため、いわゆる「空白時間」が無い。
フェードイン・フェードアウトやキャラクター演出による空白時間があると、どうしても没入性が低くなってしまうため、シミュレーションとしてはベストの選択だと思う。

このゲームに関して空白時間があるとすれば、プレイヤーが次の方針を探るための思考時間だけである。
そしてその時間は「そのゲームに強奪される時間」では無く「あなたの為のあなたが自由に使う最高の時間」だけである。


【操作性の良さ】
マウス操作に加えてキーボードショートカットが搭載されており、特に言及する部分は無い。
ボタンの大きさもちょうど良いバランスだ。


【取れる選択肢の多さ・意味づけ】
シミュレーションゲームで大事な部分である。
全ての選択肢に機能が存在しており、一つとして無駄な選択肢は無い。
ケースバイケースに対応していく楽しさが、そこにある。

そして、蘇生のスキルを身につけず、患者を死なせてしまう後悔。
ナースへの研修をサボり、医療事故による名声や患者へのダメージという一大事。
捨てた選択の末にやってくる悲劇、獲った選択の末にやってくる幸福。
タイトル画面にも表示されている光と影がそこにある。


【展開の多様性】
ランダムイベントによる相応の刺激により、プレイヤーは穏やかな波と荒波を乗りこなしていくことになる。
時には博打を打つことが荒波を乗り越える最適解ということをプレイヤーは知ることになる。
そして、乗り越えた後の穏やかな波を堪能する度にこのゲームから離れることが難しくなっていくのだ。


【カジュアルながら骨太なシミュレーションゲーム】
プレイヤーが行うことは、状況を見て表示されているボタンをクリックする。
ただ、これだけである。
あなたが出来ることは、患者に対して何を行うか、診療後に何を行うかを決定するのみである。
しかし、数値にて表される「世界」は、あなたの行動を常に見守っている。
膨大な取捨選択と試行錯誤を許してくれる世界がそこにある。


【究極の選択】
医療というテーマ、命を扱うテーマが背景にある。

時には極貧で治療費を払えない患者もやってくる。
治療に使う道具の在庫も乏しく、あなたの分身である医師は疲弊しきっており、この診療を行えば今日はもう終わりにしなければならないだろう。
この患者を迎え入れなければ、次の診療で金持ちとは言えないまでも普通にお金を払ってくれる患者が来てくれるかもしれない。

あなたは、それでも、ただのデータである患者を助けるだろうか?
全力で助けるにしても、それは「自分の名声」のためだったりはしないだろうか?
迎え入れなかったら、この患者は死んでしまうのだろうか?

ああ、前日にちゃんと医療器具を作っておけば良かった。
ああ、もっと自分の体調管理をしっかりしておけば良かった。
迎え入れても、今の自分のスキルでは助けられないんじゃないか?
ならばいっそ、診療を拒否すれば他の医者に行ってくれるかもしれないじゃないか。

このゲームは時に意地悪でプレイヤーを葛藤の渦に叩き込む。
ゲーム的に、心情的に。
時にはあなたがゲームで取った過去の行動にまで無言の言及をしてくる時がある。
なぜなら、それがシミューションだからだ。


【間口は広く、どこまでも深く】
やることはシンプルであり複雑な操作はいらない、カジュアルなゲームだ。
プレイ自体はマウスを扱えれば、誰でも出来るだろう。
そして「熱があるんだけど」という患者の訴えに対して「ああ、風邪かな、じゃあ点滴とか風邪薬とか」と直感で対応できるゲームになっている。

だが、ゲームを構成する要素は骨太であり深淵に満ちている。
その深淵に囚われた時、プレイヤーは時計を見ることを忘れ「あともう1日やろう」「上手く行ったからもう1日…」と、良質な時間を過ごしてしまうことになるだろう。

そして、その深淵はプレイを初めて少しの時間で、すでに口を開けてプレイヤーを誘っているのだ。

シミュレーション好き、ひいてはリソース管理ゲーム好きも。
なんとなくお医者さんゴッコしたい方も。
たくさんの方に体験して頂きたい良質なゲーム、それが本作である。

---
出来うるならば、グラフィック面等をリメイクして是非ともスマホアプリやsteamにて配信してほしいと切に願うところだ。
テーマ的にも海外ユーザーとの親和性は高そうなのでローカライズの上、ひっそりと期待したい。

12345
No.39833 - 2018-02-15 16:51:12
  • 1


NG投稿ガイドライン:「ゲームの感想以外が含まれている」「クリエイターへの攻撃的な内容」「紳士的ではない表現」
ネタバレについて:ネタバレを含む場合は、文頭に「ネタバレを含みます」と記載をお願いします。
テンプレート:(楽しかったところ)(特に気に入っているところ)(難しかったところ)(オススメポイント)

あなたにオススメのゲーム

フリーゲームイベント開催中!

  • Event0
  • Event1
  • Event2

サポーターのオススメゲーム