「水位」システムなどギミックの一貫性が気持ちよいダンジョン探索RPG
サンプル画像にもあるよう、マップなどグラフィックやUIはほとんどデフォのものですが、BGM・テキスト・ダンジョン構造などによる雰囲気づくりが巧く、引き込まれるようにクリアまでプレイしました。
まず、「仮釈放を餌にワークリリースと称して囚人たちを謎の海底遺跡の調査に向かわせる」という設定がいいですね。
これだけで絶対ろくなことにならないし、めちゃくちゃ危険なものが待っているということが伝わってきます。
「いたるところに鍵のかかった扉がある」
「敵を倒すと鍵が手に入る」
「扉を開けると水位が上がる」
「水位が上がると牢主が来る!」
「水位を上げすぎないように、あるいは上がったらなんとか下げよう!」
といったルーチンによる「水位」システムはパズル的で目新しく緊張感があり、ゲーム全体として一貫しているため「慣れていく」過程が楽しかったです。
(ただ、慣れてしまうとわりと大雑把で実はそれほど危険性のないものだとわかってしまったり……)
各階層ごとに「上階」「下階」「外周」「内輪」とわかれたダンジョン構成の一貫性も探索RPGとして気持ちのよいものでした。
「まずは鍵が欲しいな」「この扉は開けるべきなのか?」「あ、向こうに宝箱がある!」「アイテムを売ってくれる人はどこかな」「分離塩買わなきゃ」「早く明かりをつけたいな」など、プレイヤーの「やりたいこと」が自然に出てくるので基本的なゲームデザインはしっかりしています。
チュートリアルとフレーバーをほどよく混ぜ合わせたNPCの台詞もよかったです。
難点を挙げればいくらかはあります。
チュートリアル文書がいくらか手に入るのはよいですが、肝心のパラメータや属性の説明がなかったような?
「技術」「運気」がなにに関するパラメータなのかよくわからなかったり(後者はボス戦前の説明でそれとなく)。
ボス戦前ですごいスローになる口上とか(負けて何度も挑むようになるとつらかった)。
キャラごとの役割がある程度育成しないと見えてこないので「あれ、育成間違っちゃったかな?」みたいに不安になったり。
装備名が奇を衒いすぎてイメージしづらかったり。
あとは、主人公以外のモブ囚人もオープニングの短い会話だけで結構キャラが立っていたのでもっと活躍が見たかったですね!
活躍というか、手記みたいな形でも……いや、わざわざ手記を残してるのは変か……。
白い服の人とかなんかわけありそうで怪しかったのに!
と、いろいろありますが、ゲームとしては気持ちよく楽しめました。
所長の……なんかもうSAN値崩壊して静かに狂って変に達観してしまった感じとか……いいですね……クトゥルフとかSCPとかあのへんの雰囲気も摂取できてオススメです。
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