〇クリア状況
クリア後のボスまで撃破
〇ストーリー(致命的ネタバレは伏せます)
世界を救う過程や敵との駆け引きといった外側よりも、人物の内面の変化を追っていくタイプのストーリーです。
特徴的な単語の組み合わせから成るコミカルシーンに騙されていると、生々しい設定とのギャップに困惑します。
メインキャラの生い立ちが現実でも起こりうるものなだけに、余計に生臭さを生みます。
コミカルシーンの台詞回しと、キャラの汚い部分まで抉り出す展開は激しく賛否が分かれそうです。
汚い部分といっても、人間なら誰もが持ちうる感情で、決して悪人というわけではありません。むしろ、この設定に立たされたキャラとしては皆いい子すぎるほどです。
これらに耐性があるか否かで評価が割れるでしょう。最悪、台詞の早送りを使うという手もありますが。
人間味のあるキャラクターが好きな私にとっては、キャラの人間臭さを存分に楽しめる内容でした。
〇グラフィック・マップ
マップは全体的に程よい装飾で、単調すぎず、こわだりすぎて歩ける場所が分からないということもなく、丁度良い塩梅でした。
ダンジョンマップはコンパクトだった印象です。物足りないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
オプションで歩行速度の調整が出来るのと、最初のダンジョン突破後にダンジョンの入口へ戻ったり目的の場所へワープしたりできるアイテムが入手できるので不便は感じませんでした。
戦闘時のアニメーションが単調気味だったのは、やや盛り上がりに欠けると思います。
必殺のEPスキルはもっとド派手にやってもよかったと思いました。特にキャラ固有のスキルにはカットインとかほしかったです。
〇戦闘・システム
戦闘バランスは「コツを掴むまでは辛い、掴めば楽々」という二極化です。
雑魚戦闘はサクサク突破できるバランスです。一番コストの低い攻撃技を撃っていればケリがつきますし、後半は全体攻撃で撃破できます。
ボス戦は話が別で、極端なレベル上げを行わず、エンカウントしたら戦うというペースで進めた場合、ボス戦は「バフ・状態異常・デバフ前提」です。
「ボスは常に状態異常耐性完備」という先入観から脳筋戦法をとると勝てません。レベル上げをしていればもちろん別ですが。
状態異常とデバフ耐性を完備したボスはサブイベの一匹しかいません。逆に、他のボスには何かしらの状態異常やデバフが通ります。
これに気が付けるか否かでバランスが大きく変わります。やや大味気味ということでしょうか。
ただ、これに気が付くためのヒントは複数用意されています。魔物図鑑の表記や、マップ上で行えるチャットでの会話が主です。
オプションで難易度調整もできますので、サクサク戦闘にも歯ごたえのある戦闘にもできます。これを便利と取るか調整の放棄と取るかは個人次第でしょう。賛否両論なポイントです。
装備は合成の結果次第で性能が変わるというシステムです。
中でも予想外装備は特殊な効果を持っており、組み合わせ次第ではチート級の威力を発揮します。
失敗しても失敗時にできるアイテムを有用な道具に交換できるので、それほどのがっかり感はありません。
オプションでは歩行速度や戦闘速度、エンカウント率や難易度を調整できるので便利でした。
素材集めの時はエンカウント2倍、探索中は0.1倍といったことができるのでストレスフリーです。
上述した様に街の要所に移動できるアイテムが序盤に手に入るのですが、いくつか対象外になっている場所があるのは気になりました。頻繁に使う場所ではないからということでしょうか。
〇まとめ
気になる点もいくつか書きましたし、「賛否が分かれる」という書き方を何度か使わせていただきましたが、これは嫌悪する方がいる一方で、深く惚れ込む方もいるということです。
現に本作は攻略Wikiが存在し、ただ攻略情報が載っているだけでなく、ファンがSSやイラストを投稿して楽しんでいます。
熱心なファンを生むだけのポテンシャルを秘めた作品であるということでしょう。
制作お疲れさまでした。余韻を残すラストシーンがが生み出した満足感と達成感、そして虚無感。素敵な作品をありがとうございました。

ver1.01でクリアしました!クリアの達成感はかなりのものでした…なお、作者様の作品はこれが初めてです。
<ストーリー>
勇者と魔王の関係、なぜ魔王が発生するのか、魔王とは何なのか、各キャラのダークな部分と、少しずつ謎を膨らませつつ明らかにしていく展開で、引き込まれるものがありました。他方で、5人の主要キャラに共感できるのかという点は評価が分かれるような気がしました…台詞回しにやや引っかかるところがありました。また、主人公たちがいた世界がどんな世界なのか、特に説明もなくポンと異世界に飛んだという展開なので、感情移入するのに時間がかかりました。
<世界観>
キレイなマップチップと構成で洗練されていました。NPCもコミカルな動きや台詞で、町の散策を盛り上げてくれます。若干、キラキラしすぎて眩しいと思う部分もありました。そして、ボタン一つで要所にワープ、ダンジョンでもワープは便利。遊びやすく美しい世界観が本当に魅力的だと思います。
<戦闘について>
雑魚戦ですが、エンカウント率を自由に設定できるのが嬉しいです。スピードも高速でやればすぐに終わり、素材収集も楽しんでできました。ダンジョンもそれほど広くないので、本当にストレスフリーでした。
反面、ボス戦はきつい時もありました。最も簡単な難易度「さくさく」で進めましたが、遺跡のボス、図書館のボス、2番目の魔王ではかなり苦戦しました。CTBに慣れていないのもありますが、各キャラの順番に加え、メンバーが5人、EPの注意、状態異常と能力値増減が飛び交う、と情報量が多めです。色々な要素が絡んで面白いと感じる人も多いと思いますが、「さくさく」派にはちょっと難しかったです。
<スキル>
各キャラ個性化はされていましたし、HPの高低がはっきりしていて、壁役であるヤマトが光る場面が多々あってよかったです(自動献身ありがたし!)。魔法は音魔法,爆発魔法以外が、待機時間の関係もあり使いづらい感じがしました。相対的に、魔法キャラであるアヤネが鈍足ということもあり、やや不遇に感じました。後半は物理に強耐性がある敵が多いので、必然的に使う場面も増えましたが…。
スキル名が個性的で、序盤から全てのスキルがセットできる自由さがありました。ただ、最序盤でキャラの特性もよく分からない状態で、一見すると何のスキルかよく分からないスキル群から何を選択したらいいのかという戸惑いもありました。また、後述するEPスキルの存在、リミットがあるのでセットできる数が限定されるのが気になりました。
<EPスキルの存在>
途中まではこれがかなりネックでした。というのも、セットするのにコストが10も必要なのですが、そうなると他にセットできるスキルが限られます。でも敵に使用されるとこっちが崩壊するので、やむなくセット。少し窮屈な感じがしました。もともと乱発できないものですから、ローコストで設定できても良かったのかなと思います。
<細かいこと>
・戦闘中のHPとかの数字のフォント(「7」や「9」)が地味に分かりづらかったです。
・Qキーを押すと雑談が始まるのですが、このシステムに気付いたのが中盤でした。このシステムの説明はゲーム内でなかったような…
・一時離脱したパーティーキャラの装備が復帰時に全部外されるのですが、それで詰まるほどの問題ではないので全部外す必要はなく、外されるにしてもその注意がないのが気になりました(裸で突撃)。
・装備部位、スキルのセットの項目が多いため、付け替えが結構面倒です。せめて、スキルの全外しは欲しいところです。
・ラスボス倒した後セーブできるのですが、特に注意もなかったのでメインデータに上書きしてしまいました。エンディング後にも特に何もなかったので、残していたサブイベント等はできずに終わりました。
気になる点も沢山挙げましたが、総合的にはこれらの点を凌駕するほどの魅力があり、一気にプレイしてしまいました。エンディングも清々しく、余韻に浸れました。色々とアップデートもされているようなので、更に洗練されていくものと思われます。あの5人組にももう少し掘り下げがあれば期待!

- 1
Recommended free games for you
Free game event list
Someone's recommended games
-
もう無理。~ひどい条件で魔王討伐させられてるんだが、もう僕は限界かもしれない~
HI☆GE林。(ヒゲハヤシマル)
あなたは闇堕ちせずに魔王を討伐できるか。
-
ポラライザ
kiji
夏休み中に出会う16人の男性と恋愛するノベルゲーム
-
霧と太陽の王
ゆきはな
異形の王と少女の、ただ一つの物語
-
僕はどら焼きを買った
HI☆GE林。(ヒゲハヤシマル)
一瞬の判断で全てを失うゲーム
-
コメット☆キャンディ
おばけ
目指せおいしいチョコ!超短編RPG
-
そしてそれからその時に
ととと
理解してはいけない、陰鬱な掌編ノベルゲーム